top of page
隠岐ノ圀
開拓企画書
【プロローグ】
長かった隠岐ノ圀の開拓が無事終了し、残すは西京都へと戻り報告するだけ。
濡羽にとってそれは変更されるはずのない予定――の、はずだった。
サイラスが散歩に出かけると言ったその翌朝に、ある報告書が彼女のもとに届く。
「そんな……これは一体、どういうことですか!?」
濡羽 ムクゲ
手元の報告書に目を通した瞬間、濡羽の表情がこわばる。
このままでは本土に帰るどころの話ではない。
「どうしてこんなものが今ここに……?
いえ、そんなことを考えている場合ではありませんね。
早くサイラスさんを探さないと」
濡羽 ムクゲ
その時、島に設置された野外スピーカーから一斉に声が流れ出す。
「Hi! surpriseは受け取ってもらえましたカ?」
サイラス・C・メス
聞こえた声は昨夜から今朝まで姿を現さなかったサイラスのもの。
「――It's show time!」
サイラス・C・メス
bottom of page