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隠岐ノ圀
開拓企画書
【オープニング】
島根県の北方に位置する離島、『隠岐ノ圀』。
天照神国の首都・西京都から遠く離れたこの離島を開拓し、居住区域の確保と観光地としての強化を図ることを政府が決定。
かくしてアメリクスの建築デザイナーと共に農林水産省が開拓へと動くことになったのだが――。
「ワォ、It's great jungle! 人が住んでるように思えないデス!」
サイラス・C・メス
「私も実物を見たのは初めてですが、これは……」
濡羽 ムクゲ
目の前に広がるのは木、草、木、木、花、虫、草……。どこを見ても同じ景色が流れている。
まさしくジャングル、正しく密林。
「ここを開拓するんデスか? Are you nuts(正気)?」
サイラス・C・メス
「決定したのは政府ですので、私に聞かれても困ります」
濡羽 ムクゲ
「Umm……しかし、整備もナニもされてませんヨ?」
サイラス・C・メス
「そうですね。
まずは船着き場の拡張と道路整備、でしょうか」
濡羽 ムクゲ
「ここはウーン! とアメリクス的なdesignで行きまショウ!」
サイラス・C・メス
「いいえ。それは許可できません」
濡羽 ムクゲ
「ドウシテ?」
サイラス・C・メス
「私たちに任されたのは《居住区画の確保》と《観光地としての強化》です。
ならばどんな場所にしたいのか、どんなデザインにしたいのかは、手伝ってくださる皆さまの意向に沿うべきです」
濡羽 ムクゲ
「OK! それじゃあアンケート、だネ!」
サイラス・C・メス
「今回は《波止場》の改築と《道路整備》を行います」
濡羽 ムクゲ
「どちらのdesignかアンケートするヨ!」
サイラス・C・メス
「貴方が訪れたい、住みたいと思うようなものを作れるよう、善処いたします。どうかご協力を」
濡羽 ムクゲ
「Why?」
サイラス・C・メス
「ですから私に言われても……。でも、これはこれで良いものでしょう?」
濡羽 ムクゲ
「この国の人のsenceは理解できまセン」
サイラス・C・メス
「そ、そんなにですか……?」
濡羽 ムクゲ
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